あの頃少年は、行こうと思えばどこへだって行けるって頑なに信じてたっけ/涙(ルイ)
生やして 外も歩けやしないよ
少年は 柄にもなくさっきまで浮かれていた自分を呪いました
そうしてあるひとつの考えに思い至ったのです
空を飛べたからってなんだっていうんんだ
きっとそんなにいいものでもないさ
自由に見えるのは ボクが飛べないからで
飛んだら飛んだで ボクには想像できない大変なことが
沢山たくさんあるに違いない
だって現に 飛び方も知らないボクは
こんなにも汗みどろになって
なんとか飛んでやろうと目の色変えて
血相変えて ああでもないこうでもないと
散々やり尽くしたあげく
こんなにもへとへとにくたくたになって
だからといってまったくも
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