人の手/不老産兄弟
 
曖昧なものには意図がある
あいまいなものをみておもう
あいまいの先にはないが
道のりになにかある
おいもがある

やわらかくほくほくの
おいも
おいしいよ
あいまい(甘い)なもの(おいも)をみせてもらう

クリアなヴィジョンを提示することが
これほどまでに神経をすり減らすなんて

なにひとつはっきりとしたものはなく
それがはっきりとしてしまえば
命の買い手がいなくなる

というよりもむしろその逆で
スクリーンは埋め尽くされる
あいまいな枠によって
慎重に吟味されて

混沌を一掃して
つなぎに目をやれば
そこには我々のあるべき姿が
宇宙さながら広がっている

あいまいなものを見ていて思う
馬鹿じゃないかと


戻る   Point(1)