書き留める日々/Seia
ンを煮ている
わたしの背中に覆いかぶさろうとする
鈍く鋭い音がして
鏡を割ってしまったことに気づく
新しいものを買えばいい
そうやって何度
取替可能なアイテムを捨ててきたのか
いまだに身体の動かし方がわからないから
常にどこかしらかに
生傷をたくわえている
最新リリースは左手人差し指第一関節
いきていくために詩をかいても
詩のために生活しているような気がして
メモばかり増えていく
さっきみた夢のはなしを紫のラベルに
眼の前で起きたことを白のラベルに
作った料理のレシピを緑のラベルに
浮かんだ一行の詩を白のラベルに
ストーリーラインのない
ストーリーが現実にはあって
机の上にばらまかれた
写真の真ん中に一枚一枚
糸を通した針を刺していく
作業を日々というなら
ぷくりとふくらんだ
ちいさな血のかたまりを
くしゃくしゃのハンカチで拭き取った
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