みちばた/田中修子
 
らおちていって

そうっと荷物を置いてしまおう、あら、肩にかみついてたんだ、ごめんね、どくろちゃん

(ああ、自分が置き去りにされた 荷物で どくろで あったこと いまは忘れるふりをして、
さようなら、さようなら)

道がすれちがって十字路になって
そこに錆びれた雨ざらしのベンチがあって

ひとときのお茶をしよう

きみ、すてきな魔法瓶をもっているよ、むつかしい顔ばかりしているから忘れちゃってたんだよ
分け合おう、ほら、いい香りと湯気だよ

腰かけて、おもいでばなしをわずかして
ほんのすこし 体があったまったら

また歩き出そう
--また、歩き出そうね
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