みちばた/田中修子
黙りこくって下ばかりみて 歩いていたら
花が咲いていた 枯れ葉が落ちていた 色とにおいと
たまに ぽかあんと 空をみあげると
ひろくって 青くって ちょっと吸い込まれてしまいそうで
呼吸(いき)が、真っ暗なトンネルだったのを、ふりかえってみれば、ひかる道になっている
--ようにみえる、あなたのがそうだから、わたしにもきっと
どくろがころんと、いくつもいくつも道に
ころがっていて、その眼窩から溢れるように
色とりどりの花が咲いていて、いつだって想い出がこぼれて消えてしまいそうになるのを摘んで、編んで、からだじゅうに、巻きつけて、枯れてゆくのが、はらはらお
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