彼方/
ミナト 螢
空のハサミがギラッと光って
伸びたばかりの髪の毛を切るなら
もう振ることのない尻尾が絶えて
地平線の高さに置く心臓
ポニーテールの重力をばら撒き
痺れるほどの痛みに溺れた
路上駐車の鏡が突きつける
疲れ果てた顔を隠すように
夕陽が沈むこの場所で乾かす
涙の色さえ定まらなくても
解いたリボンが道を進めば
白い首に輪をかけて笑った
今までの方角とは違うけど
何だか私まだ走れるみたいね
戻る
編
削
Point
(3)