彼方/ミナト 螢
 
空のハサミがギラッと光って
伸びたばかりの髪の毛を切るなら

もう振ることのない尻尾が絶えて
地平線の高さに置く心臓

ポニーテールの重力をばら撒き
痺れるほどの痛みに溺れた

路上駐車の鏡が突きつける
疲れ果てた顔を隠すように

夕陽が沈むこの場所で乾かす
涙の色さえ定まらなくても

解いたリボンが道を進めば
白い首に輪をかけて笑った

今までの方角とは違うけど
何だか私まだ走れるみたいね
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