重力/tonpekep
 
きれいな土の中から水が溢れてくるように
わたしの魂からやさしいものが生まれる

銀紙のような太陽の果汁のしたたり落ちる6月
女達の詩集には
女の足しか描かれていない

わたしはそれを盗み読みしながら
柔らかい梅雨前線の中で
描かれていないその上の発掘調査に励んでいる

東西南北全てにでこぼこの乳房があって
わたしはそこに寝ころび
どういう風にしてそれを残そうかと考えていたりする

熱い光が背骨に入り込んで
背筋が反り始めると
わたしはそこに愛しいものの重力を発見する
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