クロッキー 2 うるま/AB(なかほど)
 
ていたものとは違う
 なんて当たり前のはずのことつぶやきだして
 みちたりの実をつけた木の下は
 誘いの色と君の匂いに満ちていてとても
 とても佇んでなんかいられずに
 ものかけの実をひとつ齧り
 足早に家へ帰る



梯子

 屋根裏部屋には消しゴムの標本がある
 ってかりふぉるにあおじさんが声高々に自慢してた
 その中に砂消しもあるんやろかと
 梯子に右手をかけると親指がちょとだけ(約1センチ)
 短かくなった
 そういえばもうそろそろのはずなのに戻ってこない
 (もちろん僕の彼女のことではなくて
  かりふぉるにあおじさんのこと)



明日降る
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