三日月/ミナト 螢
遠すぎて寂しく冷たい距離を
縮めるための光が溢れて
眩しさを知った心臓の痛み
ガラスの中の記念写真みたい
美しいものはどこにあるかな
今ならきっと教えてあげられる
君が瞼を閉じる瞬間は
僕が世界を見つめているから
輪郭を溶かす温かい手が
側にあることを確かめるように
瞬きを止める互いの瞳の奥
丸い爪の形が月に見えた
届きそうで逃げられてしまうのは
瞳に映る海がさらってゆく
どちらかが先に辿る輪郭は
地球の裏側で結ばれながら
二人を守る時間は無制限
朝に遅れた月は白いまま
瞼の裏側で夢を重ねる
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