剪定/新染因循
づけられる、血、
たしかになによりも赤かった、わたしの血。
時代の谷間に、憎々しいほどに拓けた青。
握りしめた指のように白むわたしの空へ、
誰かが投げ捨てた真っ白な包帯を巻いた右腕。
あの老人の煙草をしゃぶる、血統書つきの赤子。
嘲笑うように羽ばたきを繰りかえすカラスと
夢を貪られて吐瀉物にわらうゴミ袋。
それに群がる半世紀前の幻影たちだって、
ねぶるものをなくした胎児。
太陽を、生きとし生けるものすべてが一度は仰いだ太陽を、
貪るように劈いていく真っ黒なカラス。
誰もが溺れている、剪定された運命から零れたコールタール。
袋のなかから微笑みかけた、骸を抱えた鏡の中。
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