選択とTシャツ/Seia
 
を繰り返すうちに終わってしまって
口に含んでいたうすあまさと
どこか似ていた

好きだったものがそうではなくなるとき
プラスとマイナスはどちらに傾いてるのか

知らないバンドの
インストアイベントを
視聴コーナーの
ヘッドホンを付けた頭越しに見かける
思い出したのは
すこし有名になって
田舎に帰ってきたギタリストが
村に伝わる伝説を使って
大人に利用されていくB級映画を
ポップコーンを食べながら見ている夢
通り過ぎる背中に刺さらず落ちる
「サイン入り」の声

選択とは
それを選ばないことでもあって

たすけてくださいと
布団のなかで叫んだ記憶が

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