あたたかい人/立見春香
 

あたたかい人も、いたよ
やさしい目をしていた

責める人も、いたけど
そんなつまらないものを
書くものはバカだぞ、と
もう、いい加減にしろよ、と
圧倒的なパワーで
わたしを諦めさせようとする
他者を否定することを
なんとも思わない
その強い意志

じぶんで
じぶんの口を塞げ、と


誰かを好きになることを
誰にもとめられないのは、
誰かを好きになる心は
巧妙な自己愛だから、
なのかもしれない

心は、不器用で、
わたしはほんとうを喋る

みんなは嫌な顔をして
大きく顔をそむける


そこには
風に吹かれて
消えてしまいそうな

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