過去からの旅人/st
 

きみは

忘れたのだろうか



一日一日と 過去は積み重なり


一日一日と きみは遠ざかった



もう何年になるだろう

約束したはずの

この公園に来てしまう


あのとき

ぼくのこころのなかは

きみだけだった


あれから

ぼくは多くの恋をして

今は幸せのはずなのに


なぜだろう

ふたりの未来を夢みていた

若いころを想い


こうしてきみの面影に

口づけるのは


今年もまた


来るはずのない きみを待ち


待ちぼうけの 日が暮れる





戻る   Point(5)