ジャンケンを/こたきひろし
あ帰るね。
とドアを締めた。
直ぐには立ち去れなく外で様子を伺うとドアの向こうでみさよの泣く声がした。
僕はとても居たたまれなくなり自分の家の方に歩きだした。
みさよに何があったかわからない。知っても僕にはどうにもならないし、かかわりもなかった。
待ってとおるくん。後ろからみさよの声がした。
立ち止まり振り返ると彼女の顔には涙を拭い去ったあとが残っていた。
「とおるくん。私とジャンケンしようよ。私たちまだかくれんぼが終わってなかったでしょ。その続きをこれからしようとみさよが言い出した。
僕はその言葉にとても困惑したが、いきなりみさよが出してきた右手にチョキを返してしまい負けて鬼になってしまった。
戻る 編 削 Point(2)