偕老同穴/
Seia
球の裏側まで続いている井戸の
ちょうど真ん中あたりで
重力に捕捉されながら
ひかっているのが見えた気がした
人差し指と親指で
円をつくって
そこから
片目を瞑って
四角い窓の外を眺めている
この穴の中で一生を
過ごすと決められたら
それはそれで楽なのかもしれない
急降下する気圧に
身体は反応してしまう
雨が一滴
窓に着弾すれば
指を離すと暗示をかける
スリー(ツー(ワン(を言う前に
もう片方の瞼が開かなくなっていく
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