街/AB(なかほど)
 
りたく。せめてもと願う気持ちがあの部屋
の中で、未だ消えないままでいるというのに。
振り返ると、捨て鉢のタンポポは

 バイバイ

って揺れて、そうやって、辿り着けない帰る
場所が少しずつ増えていく。


 パンドラパンドラ

って言いながら、ただ笑っていただけのあの
日々に、手の届かない夢なんて、なかった、
のかもしれない。





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