街/AB(なかほど)
 
 ざあ





千切れても


 犀川の土手にしゃがみ込んだらあ、対岸の
浴衣の色が滲んでん。うちの気持ち、いっく
ら解いても解いても頑固に縺れていくじい。

 いじっかしい


こんなうちの気持ち、こん北国花火大会の六
尺玉に乗ってえ、千にも万にも散ってゆかん
かなあ。


 千切れてこそ見える花もあれん

 千切れてこそ見せる花もあれん


 あるげんて





ぶらっくぼっくす


 金沢の隅っこ、と言ってもこの中途半端に
古い街では、どこがまん中でどこが端っこで、
なんて遅々とではあるが変わり続けていて。
ただ
[次のページ]
戻る   Point(11)