街/AB(なかほど)
ざあ
千切れても
犀川の土手にしゃがみ込んだらあ、対岸の
浴衣の色が滲んでん。うちの気持ち、いっく
ら解いても解いても頑固に縺れていくじい。
いじっかしい
こんなうちの気持ち、こん北国花火大会の六
尺玉に乗ってえ、千にも万にも散ってゆかん
かなあ。
千切れてこそ見える花もあれん
千切れてこそ見せる花もあれん
あるげんて
ぶらっくぼっくす
金沢の隅っこ、と言ってもこの中途半端に
古い街では、どこがまん中でどこが端っこで、
なんて遅々とではあるが変わり続けていて。
ただ
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