神の蕾 ☆/atsuchan69
るように強力な毒を塗る。花の蕾は、かよわく何か言いたげでそれでいていつもたいがい自分の殻に閉じこもっている。文明そのものを覆してしまうほどの美しい花は、ごく稀に永く咲くこともあるが、その時は花そのものを完全に悪の力へと引き寄せる。けして自由には咲かない、咲かせてはならない。「ヘタクソ」だとか「才能がない」と腐った花たちに侮辱させるのも効果的な方法のひとつだ。すべての蕾のまわりには腐った花を咲かせておけばよい。文明に反するもの、すなわち「自然」を許さない、それが悪の力というものだ。それでも奇跡的に、なおも美しく咲いてしまったきっと明日にも散るはずの花たちの中に、‥‥ああ。でも何故なんだろうか? 私、ヨーダは、私自身が操る悪の力によって‥‥君という、「神の蕾」を隠したのだ、
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