八月の食卓/Seia
 
の底に眠っていた生姜を細く切って、
プチトマトをついでに入れて、完成ということにして。

足跡も残らないほど濡れた地面の下の方から、
ぬるい空気と冷えた空気が交互に運ばれてくる。

ここ最近笑ったことはなんですか、
テレビのなかの街頭インタビューが、マイクが、
わたしに向けられているような気がして、
ゆっくりと音量をさげていく。

茄子を取り出したあとのつゆを、
捨てようかすこし迷って、床の上の段ボール。

見ないふりをしていたそうめんを、
明日処理することにした。
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