夢見/e R i
 
ひとんちのバスタブで、
両手をのばす
出来るだけとおくに、のばす
右にも、左にも、下にも、上にも、
名前が付けられない角度にだって
出来るだけとおくに、のばす

人生の三学期が終わって
一学期が始まる
桜がチラチラと誘ってくる、春

遠くにあるはずであって欲しいと願っているココロが
一番遠いのかもしれないなんて思い込みで恋をしてい
たかった、君の遠さに気付かないままそのまま遠くに
在るはずの在るべき君の姿を捕まえられたらという望
みを一番遠くに追いやって、遠い土地に逃げてしまい
たいと一番近くで願っていた

ひとんちのバスタブで、
両手をのばす
出来るだけと
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