残業/
ミナト 螢
気流は常に
僕等を見降ろして
空の間を漂う旅人
指先から
聴こえる鼓動を
撒き散らしながら
運命を捨てる
鳥たちの声よ
トランプのカードで
窓を作れば
みんながダイヤの前に
集まって
エレベーターのように
上がる感情を
ボタンを押さずに
どこまでも待った
誰かが飾った
花に見とれて
窓際の机を
叩かれた夜も
いつもと同じ
オフィスビルの明かり
最後に消すのは
僕だと思う
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