傍観者/山下ヤモリ
ン座へ行く術はない
だから星を見上げるんだ
そうやって意識を軌道上に送るために
そうやってぼくらは立派な傍観者になった
空を見上げていると
闇夜を流れていく星が見えるだろう
それは誰かが傍観者をやめた軌跡
それは誰かが傍観者となった軌跡
星に置いてきた片方の人格が流れ落ちてくる
キミの傍に並びたいと
キミの傍で観てたいと
ぼくが星に願った日のように
キミもいつか願うのだ
全体の中でそんな誰かを見つけたのなら
キミもいつか傍観者をやめるんだ
キミもいつか傍観者をはじめるんだ
キミを見つけたぼくのように
戻る 編 削 Point(2)