ヒューマニズム/ただのみきや
の時代も人は人の物差しで
自然と対話している
つもりだった
生き物は人間のようには悲しまない
そう思う
たぶん犬も猫も
犬好きや猫好きは異を唱え
怒り出すかもしれないが
わたしは猫好きで犬嫌いの上
犬より犬の飼い主がもっと嫌いだから構わないが
人に飼われて人と接し続けている動物が
なんとなく人に似て来るのはしょうがないことだ
動物には動物なりの心や感情があるだろうが
たぶん人間とは違う
なにかを失う悲しみとか
飼い主に対する親しみや忠誠心も
極めて本能的なものだろう
ましてや野生動物が
人のように悲しむことはない
自然に勝る楽園を求め
人は版図を広げ
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