みゅーじっくはうす/ミナト 螢
プロペラが回る高い天井と
かき氷のブルーハワイは
沖縄の島を連想させる
ヘリコプターと青い海の距離が
どの位なのかは知らないけれど
兵士が着ている迷彩模様は
裸になっても付きまとう鎧
魂の色を束ねられても
指で数えた分だけ年を取る
誕生日にケーキは食べましたか?
好きな歌は唄いましたか?
沖縄の音楽を巡る時
私は膨よかな風を感じる
それはたんぽぽが綿毛を飛ばし
辿り着いた場所で根を張るような
命の輪廻を伝える風だ
島唄のメロディが流れる頃
プロペラは止まりかき氷は溶けた
短い夏だったと思いながら
ビーチサンダルをゆらゆらと揺らし
このまま船に乗れたら良いのに
手拍子で閉める海の家の鍵
来年まで誰が預かるだろう?
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