ラムネの詩/
ミナト 螢
子供の夢を壊さないように
ビー玉は瓶の中で泳ぐけど
僕等が触れようとする時には
チリンと音を立てて断るんだ
自転車がベルを鳴らすみたいに
ビー玉は透明な道を通り
トンネルの先に出口があるような
一瞬の光を僕に与える
水族館で見る綺麗な魚も
水の中からは連れ出せなくて
美しいものは水に宿るのか
水そのものこそ美しいのか
透明な銀河を渡れずにいる
あの残響を思い出しながら
釣り糸を垂らすおじさんの
気持ちが少し分かった気がした
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