ジンジャーはちみつレモンティー/藤鈴呼
かわいそうにね、今日は クリスマスなのに」
宅配トラックを眺めては
「仕事だろうけど、大変だね、クリスマスなのに」
少しの同情と憐み
ともすれば優越感や安息をも
表現された 一言だったのだろうか
振り返った 僕の瞳には
涙雨が伝う 硝子が見えた
僕が 泣いていたんじゃない
空が 代わりに 哭いてくれたんだ
そんな 洒落たことは
言わないけれど
ちょっと
代弁してくれているような気がして
ホッと一息ついてしまったのは
否めない
たった一言が 衝撃派となって
何度も押し寄せて来る
そんなコトってあるだろう
丁度 テレ
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