それから/
餅月兎
たはライラックのようなにおいがした気がする
わたしたちは幸せな誤解でつながっていて
ときに不幸な誤解で仲違いする
ほんとうのあなたが知りたいと願いながら
近づいているのか遠ざかっているのか
本当は誰も知り得ない
墓石に刻まれた名前も
もはやあなたのものではなくて
これからのわたしにこそ必要な道標
わたしはあなたにどう見られているだろうか
意味は定義の狭間を揺蕩う
墓石の上に揺らめく陽炎のように
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