不運も幸運もすべてシャッフルしたような雨上がり、ひとり洗濯機を回す。/そらの珊瑚
あった。
だけど、こんなしょうもない朝でも、冷静になってみれば、いいことも見つかる。このコタツ敷きを買う時、汚れの目立たないような黒っぽい柄にしておいた事。白色を買わなかったことは幸運だったし、お気に入りのカップは無傷だ。
数年前に割と大きな洗濯機に買い替えたので、コインランドリーに行かなくてよいことも幸運のひとつかもしれない。
神様がいるかいないか、多分死ぬまで知り得ないだろうけど、遠くで啼く鳥の声は、なんて美しいんだろうと思う。やはりどこかに神様はいるんじゃないかって思う瞬間。神様の、まにまに。有名なオペラ歌手の歌より、無名の鳥の歌の方が素晴らしいと思う瞬間。おまけに、無料。うっかりしてしまったことが、もしかすると即命取りになる世界では、誰のせいにもしないでただ生きているから、だろうか。
鳥が啼いているから、たぶん今日は晴れそうだ。
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