金魚/
福岡朔
ワイングラスのうつろのなかで
ひらひら泳ぐは真っ赤な金魚
君がぱららとこぼす言葉を
一生懸命ぱくぱくひろう
うすい硝子をへだてた君は
赤い私しか知らないでしょう
ほんとうは君の腕のなかでなら
五色に変化してみせるのにね
そうよ 私はみだらな金魚
ひらひらシーツが揺れている
戻る
編
削
Point
(8)