鎌倉日和/
服部 剛
晴れた日の鎌倉は
緑の木々の間に立つ
お墓さえ
明るく見える
あの日、体を脱いだ君は
いつから
若葉をそよぐ
風になったろうか
何処かで鳥が鳴いている
それは円い空から
鎌倉の道を往く者への
小さな合図
――あなたに宿る
方位磁針の指すほうへ
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