巨匠の言葉/
ミナト 螢
年を重ねる度に見なくなった
鏡は曇って裸を隠す
芸術家は生と死をなぞり
命を燃やして作品を残す
誰かと争っているのではない
ただひとつの肉体に宿る
パレードをこの手で掴みたいから
逆上がりを忘れた公園で
記憶の虫が騒ぎ出すような
明日をきっと私は生きている
風が吹かなくても風になるよ
若さとは常に動いてゆける
健康な体と心があれば
それはもう黒髪よりも立派だ
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