蝶の便り/
ただのみきや
耳の奥の海の青さ
朝のまま蝶よ渡れ
俄かに結びまた解ける
気まぐれな踊り手たちの
死の求婚を袖にしながら
ただ風を漕ぎ あの島の
今は盲いた娘の白髪を
露こぼす花となり飾れ
高まる日差しに消えて往く
遠い日の夢の香(か)を
ふと 偲ばせて
《蝶の便り:2018年4月4日》
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