ダージリン/385
ない
365日あるいは厄があけるまで1096日あるからと
手づくり日めくりカレンダーで確認することは
それを裏付ける理由になりえないのだから
そして何日後かに私は確実に死ぬのだろうが
数日後なのか千日あるいは万日以上なのか
完全に予測不可能で少なくとも来る日まで
生き続けなければならないと定められている
この世に生を受けた意味が分かるその日まで
そんなことを考えながら身体の方はといえば
いつものように身支度し不思議もなく出社し
ひとつひとつ確実に仕事をこなし
取引先に行けば愛想の一つも言い
昼休みのダージリンを美味しく薫り高く
入れることに神経を集中させているのだ
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