一月の川/番田
sと隅田川を歩いた
一月の土曜日の夕方 僕は
氷点下近い そして 酷寒の道を歩いた
かじかむ ビルの夕暮れの道を
他愛のない話をしながら 影の中で
響かせた 声 すれ違う人もなく
川面には生き物の気配もなく話をしていた
幾つかの言葉 そして パトロールの船
高速の車たちの光るサイン
いつか通り過ぎたことのある標識のサイン
高く掲げられた 液晶看板を僕は見ていた
そんなものを そして 何度も見ていた
今はもう忘れ去られたドラマのロケ地を横目に
今年のグラミーの話を 今はしながら そこを
僕は 通り過ぎていく時
忘れかけていた夕日を 僕は見た
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