狸の目玉/狸亭
取り出すと
よごと
不思議な言葉。
そして
万歳 万歳 万歳だ。
世界中から集まった
観客代表と称する男女や
功成り名遂げた偉い人々が
祝福の形をととのえ
金満国の虚構を支持し
警察の力に守られて
滑稽な茶番劇は終わり
象徴が誕生する。
そしてパレードは晴れやかに
垣根の向こうで日の丸
幻影に酔う人々の群れ
日毎夜毎の宴は
狂宴の疑
凶苑の犠
驕円の戯
叫演の欺
抗議が無かったわけではない
あちらこちらで
白い煙があがったが
広い青空に吸い取られていった
狸の大きな目玉は
怒りにぬれる。
戻る 編 削 Point(2)