狸の目玉/狸亭
 
取り出すと

よごと
不思議な言葉。
そして
万歳 万歳 万歳だ。

世界中から集まった
観客代表と称する男女や
功成り名遂げた偉い人々が
祝福の形をととのえ

金満国の虚構を支持し
警察の力に守られて
滑稽な茶番劇は終わり
象徴が誕生する。

そしてパレードは晴れやかに
垣根の向こうで日の丸
幻影に酔う人々の群れ
日毎夜毎の宴は

狂宴の疑
凶苑の犠
驕円の戯
叫演の欺

抗議が無かったわけではない
あちらこちらで
白い煙があがったが
広い青空に吸い取られていった

狸の大きな目玉は
怒りにぬれる。



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