青い薔薇/1486 106
イヤリング
最後に貴方が残していった唯一のもの
突然吹いた風にカーテンが大きく揺れた
小さな窓の外を覗き込んでため息を吐く
話したい言葉ばかり浮かんでは消えていく
人知れず枯れていく冬の花のように
守ってみせると貴方を抱きしめたこの腕で
壊してしまったものがいくつあっただろう
何とかして引き寄せようとして込めた力の
使い方なら他にいくらでもあったのに
愛していると口付けを交わしたこの口で
一体いくつの嘘を吐いてしまっただろう
違えてしまった約束を叶えようとしても
今更やり直すのは不可能なんだろう
貴方は青い薔薇のように美しく
まるで奇跡のような存在でした
花瓶の水を入れ替えてからテーブルに置く
溢してしまった水を拭き取ったその後で
限りなくゼロに近い可能性だったとしても
不可能が可能に変わる日を待っている
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