夜明け/松本 涼
 
生乾きの夜明けに
目を覚ますと

ぼやっと浮かぶ
記憶の灯りがそこにあった


灯りは緩やかに広がり
空気に溶け

呼吸をする度
僕に入り込んで来た


再び僕は眠りにつき
完全に夜明けが乾くまで
記憶という夢を見た


戻る   Point(0)