他人同士の二人組/番田
年末に新宿でSと待ち合わせた
どうしようもない 男が二人
しかし進むべき道を誤ってきたからなのか
そうせざるを 得なかったからなのか
そんな事を考えながら入った
閉店ギリギリのサンマルクカフェで
私は 飲み物の注文を断られた
店内には 相手のいない女性が 友達と何人も
外に出さされた私の目には闇が深みを帯びていた
モノリスビルなどに続く 地下道
私はそのさきのバス停からスキーに出かけたこともある 地下道
そして あの頃の私の背中が そこに 浮かんだ
会場である ホテルにつくと
シャンパンを片手に踊っていた私の背中があった
年明けから私は羽目をはずして そして
笑って 帰った
戻る 編 削 Point(3)