どらびだの駅/「ま」の字
領域の終わりはくぎりもなく
たしかに
やわらかく ながい眠りに落ちてゆくばかり
ここは夜に囲まれた
広大な昼のくにだった
夢は現(うつつ)に勝てない
そろそろ 貨車に載せられそうだ
こうやって、けりも付くかつかぬかわからぬうちに
引っさらわれるように、連れ去られる
どうだふかふかと いっぷく喫わせてもらいたまえ
予感だけは すこしある、夢とは
そういう寂しい者の
たわ言だ現実は
そりや先がみえないからね
と もの陰で
なにかが無粋につぶやいた
駅舎にもどる道ばたですこし吐いたけれど
いっこう その記憶がのこっていない
まあ、このいろの剥げたベンチにすわれ
(臭いもない)
この国は
どこまで夢で
いつから醒めたのか おうい。
おういむかし
みんなでここで 遊んだね!
・・・・・・・
ここは夜に囲まれた
ひどく広大な
ひるのくにだ
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