ツミキ/狩心
・・・ 巨人が沢山いる
私は身動きが全く出来ない事に気付く
ただただ巨人を眺めては
彼らは一体何を思い
何をしているのだろうと
物思いにふける
誰かが私を拾って持ち帰る事は
きっと何十年に一度しか訪れないだろう
私は気がおかしくならないように
必死に
心を強く
持とうとした
何百年という時が過ぎ
ついに人類は居なくなった
バン
と
小石が砕けるような音がして
視線が一気に高くなる
カラダを取り戻した私は
その喜びに涙した
たった一人
砂漠の上に立っている
私という存在に
一体どういう使命が宿されているのか
目を閉じて
考えずには居られなかった
数時間後に目を開けると
何の変哲もない見慣れた町の中に立っていた
人がいる
ただそれだけで胸が熱くなった
そんな体験をしたと
愛する人に打ち明けたら
少し微笑んで
静かに
抱いてくれた
私は震えている
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