リアリティのある漫画/加藤泰清
 
っすか?俺全財産265円で今使っちゃったからのこ――」
「あ?」
「・・・わかりました 適当でいいスよね」
「あーなんでもいいぞ」
「ガコンッ
 ・・・・・・はいどうぞ」
「サンキュ・・・ってああ!
 なんだこれ?『缶ヤクルト』!?」
「あ ダメでしたか缶ヤクルト」
「ヤクルトはプラスチック容器でチュ―チュ―飲みが常識だろ」
「・・・スミマセン」
腹がイカレそうだ

ちなみに「飲む部分の縁の下の辺りの凹みなんてない」というかたは
今すぐジュースを買いにサンダルを履いてマンションの玄関から10m先の最寄自販機へ急ごう
そしてアルミ缶ジュースを買って手にとってみよう
飲む部分の縁の下の辺りに凹みがあるはずだ
ないとしたらもっとジュースを買おう
もっと買おう
もっともっと買おう
万札使い切ろう
そして出てきたジュースおおよそ83個の飲む部分の縁の下の辺りを調べよう
それでも凹みがないならもう自販機の仕様ということだ
あきらめよう
別に見つけたからといって良いことは特にない
ただただ触ってみて変な感覚になって鬱になるだけだから
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