鉄壁の笑顔/藤鈴呼
 

紺碧の空に浮かぶ

晴天の霹靂
どんな壁画よりも美しい

何色の絵具を以てしても
描き切れぬ 透明模様

底に模様が 存在するのか
いくら透明に近い海の底でも

ババアサザエくらいの大きさになれば
隠れる隙間がありません

潮溜まりの中で
ジッと身を潜めて
その時を待つ

泡が少しずつ流れ始めて
重曹の効果を知る瞬間

やけに重たいぬめりが
鱗から剥がれて行くのを
感じながら

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