風が流れると/
藤鈴呼
空気感に しっとりさを足す
裂かれた葉の先は
太い枝から伸びた小枝が
薔薇の棘に見えたのと
同じくらいの憂鬱加減
ふうと隙間風に夢を託す
吸い込んだ石の中に意思はあるのと囁いて
ゆっくりと歩き出す
あの山も川も谷も海も越えてしまったから
もう見えるのは天ばかりですと
点目で可愛らしく呟く
ビーズ玉のぬいぐるみに
今度 話し掛けて みようかな
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