夕陽を眺めると/藤鈴呼
 

とろけそうな地の色に
流れ出す血の色が 映えている

生え際の隙間から
飛び出した 白い眼も

焼いた魚のように
静かになる夜

痺れるのは これが
電気ウナギだからだよ

ひつまぶしでも いいや
ひまつぶしでも いいやあ

小さな掛け声が
何処までも 響いて 響いて

遠ざかる 波間に隠れて
鈴虫が リーンと啼いた

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