IRAと盆休みと私と/番田
自転車で街を走れば
盆休みということだったので
人に奇異の目で見られてしまった
どこか 物憂げな目をした そんな 私がいた
自転車で走り抜ける
いつか 通った 通りを
悩んでいた 何もかもを忘れたかのように
だけど どこに行くのだろうかと
そして プレーヤーを閉じた 私は
IRAと呼ばれていた組織を扱った
途中まで見ていた映画を部屋で見ていた
それはハンガーストライキの映画だった
命をかけてまで何かをしようとしたことはあっただろうか 私は
そんなふうに思いながら 夕暮れを見つめていたけれど
そのようにして国を守ろうとした人たちがいたのだということを
遠い目をして いつまでも 自分のことのように 考えていた
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