愛する人を無くしたのなら/雨の音
ての
さいわいはあるのだろうか
果たしてあなたに与えるべき
さいわいはあるのだろうか
彼女が結婚をしたという事を何かで知った
僕は素直に祝福しながら
めちゃくちゃに犯してやりたいと思った事が
彼女の幸せを酷く壊してしまいたいと思った事が
今になって罰として襲い来るのか
これは告解か
それとも懺悔か
赦されたいと思いながら
汗をかいて飛び起きる自分は
何処までも人なのだとよく分かった
ああ
あの時僕は無くなるべきだったのだろう
あの時にこそ無くすべきだったのだろう
朗らかに笑いながら
僕は今日も人の言葉を聞いている
朗らかに笑いながら
僕は今日も人の事を思っている
朗らかに笑いながら
僕は今日も人の邪魔をしないよう願っている
朗らかに笑いながら
僕は今日も人の下を世話している
テンポ良く リズム良く
惰性のように 堕落のように
さあ生きよう さあ生きよう
さあ励もう さあ励もう
だって 愛する人を無くしたのだから
〜中原中也の詩を受けて〜
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