名前/小川麻由美
 
に残ってるのが不思議なほどの
陽光にさらされ のっしのっしと運搬された
その場に着き 投げ出された私は声を出すこともなく
ただただ陽光を感じ これが痛みというものかと思う
せめて日焼け止めを塗る時間くらいはあっただろうに
私を運搬した者は随分と大きくなったという印象である
いや逆に私が小さくなったのかもしれない

周囲の気配を感じるとそこは茶褐色の世界だ
私もその一端を担っていたのだ
いつかどこかの映画監督が茶褐色の映画を撮りたいと思えば
私達はうってつけなのかもしれない
なんら関連性もないような事を思い行動もしない
それが私の日常で取るべき態度くらいはわかってるつもりだ
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