ミラー/1486 106
を流す
自分の不注意を棚に上げ怒りをぶつけてしまう
大切にしていた日々と手放してしまった幸せと
記憶の底に残されたものは色褪せることもなく
誰もいない部屋のドアを開けてただいまと呟く
鏡に映る自分の姿は見違えるほど疲れた様子で
冷静になれれば埋めあえたものもきっとあった
最後に壊してしまったのは自分の手だったんだ
向かい合っていたはずだった僕達はいつの間に
相手のことが正反対に見えてしまっていたんだ
今更になって素直な気持ちを届けられたらって
ディスプレイを眺めてみても伝える手段はない
たった一つずれただけで変わってしまったミライ
向かい合っていたはずだっ
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