見上げれば/
藤鈴呼
たとて
開けた穴が 塞がる保障も
ないのですから
窓を開けると きな臭い
さっきまで 五月蠅かった
サイレンが
ひとしきり唸った跡
気が済んだと見えて
訪れたるは サイレント
そんな 悠長な事
言っている場合では なかった
回転灯を閉じた車は
ただの梯子車
もう 屋根から
落ちる必要もない氷柱が
行方不明の太陽を探そうと
必死で 煌めいていた
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