凝視/小川麻由美
 
どれでもないどれか
力を振り絞って目を開き
真ん前にある一点
それを凝視することに
価値を見出した
私はあなたでもある

目を開く
網膜に何が映っているのか
それは重要ではない
その行動が第一歩である

一点を凝視する
繰り返し繰り返し
自分で自分に言い聞かせる
その作業は重要である

価値を見出す
集中した脳は
私を強くさせる
気付きこそ価値がある

どれでもないどれかは
なんでもないなにかでもある

私はあなたでもあり
あなたは私でもある
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